実家じまいで建物が取り壊されたり、土地が売却されたりしても、戸籍そのものがなくなることはありません。なぜなら、戸籍は「役所」に保管されており、登記上の住所が存在しなくても戸籍は維持されるからです。
ただし、次のようなケースでは本籍の変更を検討してもよいでしょう。
- 郵送で戸籍謄本を取り寄せたいが、既にその自治体に縁がない
- 結婚や引っ越しの機会に、家族と本籍地を揃えたい
- そもそも実家に愛着がない・地元と疎遠になった
本籍を移すには?戸籍の「転籍」手続き
実家じまいに伴って本籍地を変更したい場合は、「転籍届」を提出することで簡単に変更できます。
実家じまいに伴う転籍の方法
- 現在の本籍地、または新しい本籍地、もしくは現住所の市区町村役場に行く
- 転籍届を提出(印鑑が必要。自治体によっては本人確認書類も)
- 届け出後、戸籍が新しい本籍地に移動される
※家族全員の戸籍を移す場合は、世帯主が代表して届け出ます。
転籍しても、これまでの戸籍は「除籍」として残されます。過去の記録が消えるわけではないので、安心してください。
実家に本籍を残すか、移すか、決める基準とは?
では、実家じまいをしたあと、本籍をそのままにしておくべきか、移したほうがいいのか。以下のような視点で判断するのがおすすめです。
本籍をそのままにしておいてもいい人
- 特に困っていないし、今後も戸籍謄本を取る予定がない
- 実家のある地域に思い入れがある
- 変更の手続きが面倒に感じる
本籍を移したほうがいいかもしれない人
- 遠方で戸籍関係の証明書を取りにくい
- 今後、家族と本籍地を揃えておきたい
- 実家との精神的なつながりを手放したいと感じている
「本籍をどうするか」よりも、「これからどう生きるか」
実家を手放すとき、人は様々な喪失感を抱きます。本籍地という“記録上の住所”がなくなるような気がして、不安になるのも自然なことです。
ですが、本籍地はあくまで行政上の記録。あなたの居場所やアイデンティティを本当に支えるのは、これから築いていく場所や人とのつながりです。
「実家がなくなったらどうなるのか」ではなく、「これからどこで、どう生きていくのか」。その視点を持つことで、不安も少しずつ軽くなっていくはずです。
実家じまいを考えはじめたら、まずは今の家の価値を知っておこう
本籍の問題が気になる方は、きっとすでに実家じまいについて何らかの行動を始めているはずです。そんな方におすすめなのが、不動産一括査定サイト「イエウール」。
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今すぐ売らなくても、将来の選択肢を広げる意味でも、一度チェックしてみると良いでしょう。
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